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Edwin Reyesキューに関する将来展望と新ブランド「SuperBilliard」のお知らせ

故Edwin Reyes氏の突然に死去により、当社では、彼が生前に製作したキューのメンテナンスをどうするか、更には、彼が開発した卓越した技術をいかにして将来に継承していくかを真剣に精査、検討してきました。
　
今回、当社の代表取締役である私が現地に長期滞在して、あらゆる可能性を追求し、必要な、準備、協定、取り決め、処置をしてきましたので、その旨、顧客の方々に概要を報告させて頂くと同時に、今後も安心してご購入をお願いしたい所存です。
　
現地で、まず、第一にしたことは、故Edwin Reyes氏の墓に献花し参拝した後、全ての関係者と会って打ち合わせしたことです。即ち、相続権のある人達である彼の妻、実母、姉、弟、キュー製作に関係のあった彼の友人らと会い懇談して、彼らが故人の仕事を継承する意志があるのか否かを確認することでした。何故なら、当然、彼らと当社が事業の継承をするために提携する可能性があったためです。
　
３ヶ月後に彼らが出した結論は、キュー製作の経験がないこと、経済的な理由、採算性などを考慮し、故人の事業の継承は不可能であるとのことでした。そこで、長年レイズのキューを独占的に販売してきた私にその権限を委譲するとの結論でした。この内容は、今後の当社の事業経営にも関連する重要事項なので、それぞれの実署名入りの書面による協定書として作成し当社に保管してあります。

故Edwin Reyes氏の墓にて
生前のEdwin Reyes氏ファミリー	故Edwin Reyes氏の墓

次に、私がしたことは、故Edwin Reyes氏の工房でアシスタントとして働いた経験のある全ての職人と会い、故Edwin Reyes氏の製作したキューのメンテナンスと故Edwin Reyes氏の残したキュー製作に関わる全ての技術を私が継承し、今後、私が中心となり、当社が販売するキューの製作に、故Edwin Reyes氏の残したキュー製作に関わる全ての技術を忠実に再現するということでした。
　
既に、彼らは独立したり、他の工房で働いていたりしており、当然ながら、彼らの共同経営者や彼らの現在の雇用主を交えた話し合い、打ち合わせとなりました。
　
その際、現在、彼らが製作しているキューの製作工程を詳細に視察しましたが、残念ながら、現状では、経済的な理由、工作の複雑さなどの様々な理由により、故Edwin Reyes氏の独特な製作工程を継承している職人は一人もいませんでした。即ち、彼らのキュー製作の工程は全て他のメーカーと全く同じものでした。
　
実は、それもそのはずで、故Edwin Reyes氏のキュー製作における重要な手法の詳細は、故Edwin Reyes氏自身と、世界総代理店の社主である私しか、知りえない機密事項に関わる部分がほとんどだったからです。故Edwin Reyes氏は、アシスタントにすら、独自に開発したキュー製作における重要な手法の詳細は、あえて、教えていませんでした。
　
その理由として故Edwin Reyes氏がいっていたことは、その部分こそが、他のキューメーカーのキューと比較して「Edwin Reyesキューの優位性」を決定づけるための「差別化の原点」であり、万一、アシスタント達が退職しても、「苦労して考案し積み重ねた企業秘密が他に漏れることは回避しなければならない」から、とのことでした。

考えてみれば、故Edwin Reyes氏が考案した製作工程とは、私が世界中のキューメーカーの製作工程を詳細に視察した経験をもとに、その優秀な部分だけを故Edwin Reyes氏に提案して、その結果として生まれた技術なのです。
　
従って、その製作工程は複雑な工程ですが、キューの品質、機能、優位性を保持するためには、それらの複雑な工程を継承することに価値があるのです。なぜなら、値段に関係なく、故Edwin Reyes氏が開発した技術で製作されたキューの品質と性能は、現存するアメリカのキューメーカーのキューに比較しても優れているという事実があるからです。
　
そして、その理由も明白です。経年変化によるバットの曲がりや狂いが起きない、キュー先の打球感がそのままプレーヤーのグリップに伝わることにより、球位置のコントロールが容易となると同時に、プレーヤーのパワーが着実に球に伝わる（プレーアビリティ）、メンテナンスや新シャフトの製作が容易となるなどです。
　
その具体的な詳細は、バットとシャフトを結ぶジョイントネジのより正確な切削の方法、グリップ下のフォアアームとバットエンドを連結する２重ネジの工作方法と特殊な構造で柔堅の種類の違う木材を独特な形状に仕上げて貼り合わせたグリップ下地の採用、バットとシャフトのジョイント部の径を均一に製作する工法、カウンターボルト用のネジとエクステンション用のネジの一体化、接着剤で固定するあらゆる接合部はオスメスのネジ加工により経年変化による緩みや狂いを回避する工法、リングやインレイに金属を使用した場合に、経年変化により金属が浮き上がるのを防止する工法、差別化を図り考案した3/8-9TPIのジョイントネジ、などです。
　
そこで、私が中心となり、彼らに仕事場と機械設備を提供し、彼らの共同経営者や雇用主を含めた共同体組織を作り、当社が販売するキューの製作に、忠実に故Edwin Reyes氏の製作工程と技術が継承される方法を採用することで全員の了解と協力を得るに至りました。
　
このため、私が準備した主な機械設備は、精密旋盤１基、キュー専用旋盤１基、ミーリング切削機１基、縦型ドリル２基、横型ドリル１基、帯ノコ２基、丸ノコ２基、高速カッター１基、ベルトサンダー３基、エアーコンプレッサー２基、彫刻器１基、10KVAジェネレーター（停電時用）１基などです。ちなみに、フィリピンにはこれだけの設備を持ったキューメーカーはありません。
　
そして、上述の共同体組織により製作されたキューには、故Edwin Reyes氏の卓越した技術を忠実に継承した商品であることを約束し、その商標として「SuperBilliard」を登記し、「SuperBilliard」の商標をつけて販売することに致しました。
　
また、故Edwin Reyes氏が開発した全ての特許取得済みのハイテクシャフト、正確無比のプレイアビリティを誇るゼロデフレクション（表示名０DF）シャフトと、今までにない最高のパワーを約束する全長に５ミリ径の１本グラファイトパイプの芯が入った（表示名FGC）シャフトの製作も継承することに致しました。
　
何れの「SuperBilliard」キューのシャフトにも、当社で直輸入したカナディアンメープルの最高級品AAAグレード（このシャフト材料の値段は通常のシャフト材料の約１０倍以上）が採用されています。
　
現在は、故Edwin Reyes氏の低価格帯のキューと同等のものを中心に製作を始めましたが、その工程は全て故Edwin Reyes氏が開発した卓越した技術を着実に継承しています。従って、「SuperBilliard」のキューは巷（ちまた）で売られているフィリピンキューとは全く次元の異なる超高級品であることはいうまでもありません。

上の写真は現在製作中の「SuperBilliard」のシリアル番号#１と#３のキューです。

写真上：エボニーストレートプレーキュー、黒牛革巻き、SuperBilliard最高級ＡＡＡグレードカナディアンメープルシャフト付き

写真下：エボニー３ピースのジャンプ・ブレーク・プレーキュー、白ドット入りの黒リネン糸巻き、フルサイズカーボングラファイト入りのFGCハイテクシャフト付き、白ドット入りの黒リネン糸巻き

更には、故Edwin Reyes氏のポリシーであった「One of a kind」、つまり、原則として、「同じデザインのキューは一本しか製作しない」という方針は、特別なプロモーションモデルなどの場合を除き、今後も「SuperBilliard」のポリシーとして堅持することにしました。
　
「One of a kind」は、「世界中で自分だけしか持っていないキュー」を直接意味します。ですから、その希少価値には計り知れないものがあります。
　
今後は少しずつ特注品や高級品に傾注していく予定です。更に、将来は「超高級品を他社では実現不可能な安い価格で提供できる」ことを目標にして、新たな業態を確立し、発展を図りたい所存です。
　
自分だけの特別なデザインのキューの製作をご希望の方は、いつでもご相談に応じますので、ご遠慮なく当社にお申し出下さい。当社ではコンピュータによるデザインや素材の選択を含め、お客様のご希望にそった最適なアドバイスとアシストができます。
　
故Edwin Reyes氏が製作したキューのメンテナンスに関しましても、故Edwin Reyes氏が残した卓越した技術を応用して万全に対処していきますので、顧客の皆様には安心してメンテナンスをお任せ頂けるものと確信しております。
　
最近、故Edwin Reyes氏の「One of a kind」のデザインのコピー品や偽物がインターネット上に出回るようになりました。これらのコピー品や偽物の構造や製作工程は故Edwin Reyes氏とは全く違い、単にデザインだけを盗用したもので、キューの性能や品質は比較にならないほど粗雑なものです。
　
また、故Edwin Reyes氏の工房で働いた経験もない人を「故Edwin Reyes氏の後継者、弟子」など称して、インターネット上やインターネット上のオークションなどでキューを売る業者も出てきました。これらのキューの構造や製作工程は故Edwin Reyes氏とは全く関係のない古い従来工法によるもので、性能や品質は比較にならないほど粗雑なものであることは当然です。事実に反することを吹聴するのは詐欺的行為であり、許し難い行為ですが、残念ながらこの風潮は今後も続くものと推測されます。皆様にはくれぐれもご注意して頂きたいと思います。

今後とも、皆様のご愛顧、ご鞭撻を賜りたく、宜しくお願い申し上げます。
２０１０年４月
アルファインターナショナル株式会社
社主・社員一同

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