以前はカスタムキュー職人であるJerry
Franklin(ジェリー・フランクリン)氏とインレイ担当のKersenbrok(カーセンブロック)氏の二人でネバダ州のガレージを改造した工房でキューを作っていたが、Kersenbrok氏が訳あって同じ工房から抜けてしまった。
それまではSouth West(Southwest)(サウスウエスト)の商号ではなく、Kersenbrok(カーセンブロック)の商号で販売していたが、Kersenbrok氏が抜けた後、South
West(Southwest)(サウスウエスト)の商号で販売するようになった。
自分自身も相当の腕前のプレーヤーであったJerry Franklin氏は、最も基本に忠実なキュー職人で、シャフトとバットを組み合せた全体のバランスはもとより、バット部分単体でもバランスがとれるようにグリップの両端に2本のバランスウェイトを入れているという。
世界各国の銘木を厳選して採用し、木が持つ"良さ"を繊細な手加工技術で表現している。主材料のメープルと黒檀には特に気をつかい、製材所を廻り1,000本の中から数本の良質な素材だけを買ってくるといった病的ともいえる執念を燃やす人であった。Jerry
Franklin氏の職人としての良心と努力には常に敬服させられるものがあった。極端な少量生産のため、アメリカでも入手が困難なキューの一つである。
当時、Jerry Franklin氏が私に、自分自身は派手なインレイはあまり好まないこと、South West(Southwest)(サウスウエスト)の偽物(ニセモノ)が出回っているため、自分のキューにはロゴとシリアルナンバーを入れることにしたなど、色々と熱心にキュー作りについて語ってくれたことを昨日のことのように鮮明に覚えている。
Jerry Franklin氏は1996年に心筋梗塞で突然倒れて他界したが、現在は夫人のLaurie Flanklin(ローリ)氏が中心となって後を継いでいる。Jerry
Franklin氏の設計に基ずく抜群の打球感覚はそのまま夫人に受け継がれ、高級カスタムキューの評判は衰えることがない。完全な受注制で納期は通常2年以上かかるという。